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映画「鳳鳴」を見た

一人の老女が家に向かって歩いている後姿をカメラはじっとついていき、かなりの時間がたって彼女が家に入ると、ソファに坐ってカメラに向かって語り始める。ナレーションは一切ない (監督が彼女に語りかけることもほとんどない) から彼女がどういう人物なのか、彼女が何を語りだすか全くこちらには分からない。映画は内容ではない、ということになれば、この映画で彼女が語っていることはそれこそ本になっていればそれを読めばいいことであり、彼女の語りをただただ映しているだけのこの映画は映画としてどうなのか? という話になるだろう。普通の監督なら恐らく彼女の話に被せて当時の記録映像や、彼女自身の写真などを挿入するところだろうが、ストイックなまでにそうしたものを排除しているから、話の内容と共に、彼女の存在そのものをこちらも見つめるということになる。それにしても三時間以上、ずっと同じショットが続く映画だが、やっぱり映画としての存在価値は十分あると思う。エルセーヌ MEN 料金
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